公益財団法人 大阪産業局

北大阪商工会議所:地域の事業者さまと能動的に関係性を築くということ

北大阪商工会議所は枚方市に本所、その他、寝屋川市と交野市にも支所があります。(画像は枚方市にある本所)

 

 

そんな広いエリアにある事業所を日々支援している仲上さんにお話を伺いました。

 

 

商工会議所って初めての人にとって何となく入りづらいし、専門的な内容でないと相談してはいけないのかなって思いますが?

 

■お客さま目線での相談

 

仲上さん:

「とにかく不安なことがあれば何でも相談してください。もちろん相談は無料です。この前も学生がふらっと相談に来ました。1個何円で売る?原価は?どこで?ターゲットは?など事業計画書作成の支援をしましたが、このように気軽に相談に来てもらえるのはすごく嬉しいです。そして、商工会議所の相談の大きな特徴は“お客さま目線での相談”だと思います。

例えば、金融相談。商工会議所には、相談者さまと利害関係がないので、本当に必要とされていることに対してお答えできると思っています。その他、商工会議所だけではお答えできない相談に対しては、税理士、弁護士、中小企業診断士などの専門家の紹介もできるし、日本政策金融公庫とも連携しているので様々な相談にお答えできると思います。」

 

「利害関係が無いからお客さま目線で」というのがわかりやすいですね。商工会議所の役割って色々あると思いますけど、支援する上で大切にされていることありますか?

 

■三方よしの理念を大切に

 

 

仲上さん:

「先ほど話したように、まずは“お客さま目線”ということを大切にしています。その支援を通じて事業者が発展すると地域が豊かになる。そのサイクルが回る中で、商工会議所の支援を魅力的に感じていただき会員になってもらえる事業者が増える、いわゆる三方よしの考え方を大切にしています。どこかが犠牲になりすぎると、この循環が成り立たなくなりますから。会員限定のサービスもたくさんありますし、もし良かったらぜひ会員に。

そして、色々な情報を事業者へ届けるということも大切です。

現在、このコロナ禍において、事業者は大変です。国、府、市からたくさんの支援策が提供されていますが、自ら情報を取りに行ける事業者ばかりではありません。そんな中、北大阪商工会議所の会頭から『今、何としても情報を届けないといけない、それだけはとにかく頼む』と言われ、その手段として、昨年から公式LINEアカウントをはじめました。職員が一丸となって登録者(現在、約1200名の登録)を増やし、情報を届ける仕組みを作りました。会員さまからも『知らなかったらこの支援受けられなかったわ。助かった!』という声を多くいただきました。非常時に一丸となって行動できるのは、この商工会議所の強みですね。」

 

■能動的に情報を届ける

 

 

仲上さん:

「そして、事業者に情報を届ける仕組みとして、もう一つ会報誌があります。商工会議所からの情報って届きにくい、わかりにくいがこれまでのイメージでした。事業者から情報を取りに来るか、『こんなことしたいんだけど、どうすればできる?』っていう相談など能動的に関わっていただかないとアプローチしづらい団体=商工会議所だと思います。そんなイメージを解消するために会報誌のリニューアルを考えていますが、それに先駆けて6月号から“Nijiriguchi”というコーナーをはじめました。にじり口とは茶室の小さい入り口のこと。千利休が枚方の川に浮かぶくらわんか船から着想を得たという説もあるそうです。にじり口の機能として、大名でもお侍でも偉い人でも、刀を外して頭を下げないと入れない。つまり茶室の中にいる人はみんな平等だよ。位もなくお茶を飲むサロンであるということです。

それに倣い商工会議所という場所も入会してもらえれば、みんなふらっときて、要望を出して地域経済の発展に繋がっていく、そんな地域に根ざした拠点の入り口になりたい、そんな想いが込められています。また記事の中では、指導員がご支援した事業者とセットで紹介されており、顔が見える関係を築いています。このように、先ほどの公式LINEアカウントや会報誌など、能動的に情報を届ける仕組みが進んでいます。」

 

その他にも色々な取り組みをされているようですが?

 

仲上さん:

「はい、いくつかご紹介しようと思います。」

 

■金融機関と連携し地域の事業を承継

 

仲上さん:

「まずは事業承継に関連したものですが、2021年4月から日本政策金融公庫と連携したM&A、事業承継の取り組みをはじめました。ここにも『お客さま目線での相談』という特徴があります。地域の特性なのか、この北大阪地域では、色々な事業を吸収して、今の事業を大きくしたいという要望も多くあります。買いたいという登録ができ、日本政策金融公庫の全国のデータベースなども利用しながら、売りたいという企業とマッチングを進めています。」

 

■クリエイターと連携し、新たなビジネスや価値を創出

 

仲上さん:

「以前より、『事業者からデザイナーを紹介してほしい。事業を進めていく上で必要なんです』という声をたくさんいただいてました。今でも会員データベースはあるけど、工業、商業、サービス業などのくくりしかなく、要望に十分答えることができていませんでした。そこで今年度は、『デザイン』『DX推進』『女性起業家』の3つを主要テーマとし、支援機関と連携しながら、新たなビジネス価値を創出していきます。」

 

 

 

仲上さん:

「枚方T-SITEの2階に『&Lab.』というクリエイターと連携したい事業者のための場所を作りました。もちろんクリエイターにとっても魅力的な場所です。登録したクリエイターは、ワークスペースとして自由に利用、さらに事業者と出会うことで新しい仕事が生まれる可能性もあります。このスペースのコンセプトは『隠れ家』。使い方次第ですが、うまく使えるとメリットしかないと思います。今後、交流会なども行っていきますが、運営については、大阪産業局の『MEBIC』と連携し進めていきます。

さらに、女性起業家の支援にも力を入れていきます。『LED関西』と連携し、ビジネスプランの作成アドバイス、女性起業家との交流会なども実施していきます。女性起業家に特化した支援も珍しいのではと思います。

商工会議所の取組みで0から1を育てる。そして1から100へアクセラレーションするためにMEBICやLED関西との連携が大切。また大学とも連携していることもあり学生クリエイター(私たちはクリエイター0.5と呼んでいます)も輩出していきたいと考えています。クリエイターのたまごがプロと交流することで育っていく、そんな好循環も生み出していきたいです。」

 

あと皆さんにお話を聞いている中で印象的だったことは、若い職員の方が生き生き話している姿でした。

 

 

みんなでランチ行ったりするんですか?

 

上本さん:

「近くにお好み焼き屋があって、昔ながらの味で美味しいんです。でも、お昼も対応があるので、みんなでは一緒に行けないんですよ。」

 

商工会議所の職員さんって固いイメージがありましたが、上本さんとのお話したことで、そういう印象も無くなりました。冒頭の仲上さんの話にもあったように、本当に誰でも気軽に相談できそう、さらに心強い!と思いました。

 

これからの社会を考えたとき、中小企業において、競争力を高めていく手法として、デザインの活用やブランド化は有効な戦略です。そういうことを踏まえて、北大阪商工会議所のこれからの取り組みが楽しみになりました。

 

今日、お話いただいた皆さん

仲上さん、堀家さん、上本さん、森田さん

 

北大阪商工会議所

住所:〒573-1159 枚方市車塚1-1-1 輝きプラザきらら6F

URL :https://kocci.or.jp/

 

 

 

 

 

 

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